岐阜県関市洞戸地区の名産品「ほらどキウイ」を知ってほしい!~キウイフルーツを未来につなぐ取り組み~

岐阜県関市洞戸(ほらど)地区では、40年以上にわたりキウイフルーツの栽培が続けられてきました。
このキウイは単なる農産物にとどまらず、地域のイベントや施設名(例:キウイプラザ、キウイマラソン)にも登場し、住民とともに育ってきた文化の一部となっています。
後継者育成・農福連携・生産面積拡大に向けたクラウドファンディングなど、地区ぐるみのキウイ振興を通じた取り組みが高く評価され、令和3年には「豊かなむらづくり全国表彰事業」で農林水産大臣賞を受賞しました。
このような地域のあたたかな営みに心を動かされ、「こびとの農園」では、地元農作物の魅力をそっと伝える方法として、『ほらどキウイのブローチ』を制作しています。
ほらどキウイについて、簡単ではありますがご紹介させていただきます。
ほらどキウイについて ~濃厚な果実~
洞戸でのキウイ栽培が始まったのは、昭和54年(1979年)。当時はまだ珍しかったキウイフルーツに可能性を見出した生産者たちが、ヘイワード種の導入を決断しました。それから40年以上、洞戸の人々はこの果実と向き合い、技術と想いを紡いできました。
清流・板取川の恵みと昼と夜の寒暖差が大きい山間地ならではの気候は、果実内の糖と酸の代謝を理想的に進め、芳醇な甘さと爽やかな酸味を兼ね備えた風味を育みます。その高い品質から関市を代表する農産物へと成長し、今では道の駅「ラステンほらど」・地元スーパー・ギフト需要などで高い人気です。
一部の生産者の間で密かに「一番おいしい」と言われてきた果実の幹近くに生る扁平果。横に広がったその形状から規格外とされ、これまで市場に出ることは稀でした。しかし近年、この扁平果の糖度の高さと果芯部の大きさに注目が集まり、「ほらどキウイPREMIUM」として数量限定での販売が開始されました。
八天堂ファームが推進する商工農福連携の想いと合致し、「果実なくりーむパン ほらどキウイ」が商品化されるなど、商品展開とともに社会的な注目も高まりつつあります。
ほらどキウイの栽培暦について ~いつ収穫されるか知ってますか?~
ほらどキウイの1年の栽培カレンダーは、『ほらどキウイフルーツ グリーンな栽培マニュアル』から、大まかに以下のようになります。
時期 | 生育過程 | 主な作業 |
---|---|---|
12〜2月 | 休眠期 | 冬季剪定、土づくり |
3〜4月 | 溢液期・萌芽期・発芽期 | 防風対策、芽かき、環状剥皮 |
5〜6月 | 開花期・結実期 | 誘引、人工授粉、摘蕾、摘花、追肥 |
7〜9月 | 果実肥大期 | 摘果、夏季剪定、捻枝誘引 |
10月~11月 | 果実充実期、収穫期、落葉期 | 収穫・選別、基肥 |
「ほらどキウイを未来につごうプロジェクト(通称:ほらプロ)」について
関市洞戸を中心に栽培される「ほらどキウイ」は昭和54年から作り始め、現在では40名の生産者が栽培していますが、生産者の高齢化とともに近年は樹齢の古い園が散見され 、ピーク時には年間約100万玉あった生産量は現在では約30万玉にまで減少しました(引用:CAMPFIRE「ほらどキウイを未来につなごうプロジェクト!山間地のキウイを残したい!2022」)。
キウイフルーツの樹齢は一般に30〜40年とされ、洞戸地区の果樹園では老木の割合が増えつつあります。実際、近年では樹齢の進行に伴って収穫量の減少が顕著になっており、今後も安定的に「ほらどキウイ」を生産・供給していくためには、老木の更新とともに、新たな土地への苗木植樹による生産面積の拡大が急務です。
こうした背景のもと、2021年4月1日、JAめぐみのの呼びかけにより、生産者・協力機関・パートナー企業が連携して「ほらどキウイを未来につなごうプロジェクト(通称:ほらプロ)」が始動しました。
本プロジェクトでは、クラウドファンディングを活用した資金調達をはじめ、民間企業とのパートナーシップによる支援体制を構築することにより、サステナブルな産地づくりを目指して、計画的に苗木の植樹が進められています。
JAめぐみの 「ほらどキウイを未来につなごうプロジェクト」メンバー
【プロジェクトの生産者の皆さん】
JAめぐみのほらどキウイフルーツ生産部会
農事組合法人ほらど未来ファーム
【プロジェクトの協力機関】
岐阜県中濃農林事務所
岐阜県立関高等学校
関市洞戸小学校
【プロジェクトのパートナー企業】
十六銀行
イオンリテール株式会社
生活協同組合コープぎふ
株式会社岐阜フットボールクラブ
中部学院大学・中部学院大学短期大学部地域連携推進センター
【後援】
関市
岐阜県JAグループ
※「ほらどキウイを未来につなごうプロジェクト」のロゴは、さかだちブックスを運営する株式会社リトルクリエイティブセンターがデザインを担当
最後に

岐阜県関市洞戸の豊かな自然のなかで育まれてきた「ほらどキウイ」は、単なる農産物にとどまらず、地域の誇りであり、暮らしとつながる文化そのものです。
こうした地域の歩みに敬意を込めて、「こびとの農園」でもささやかな応援として「ほらどキウイのブローチ」を制作しています。農作物の花や実の美しさに焦点を当てた小さなつまみ細工のアクセサリーは、見慣れた果実にもう一度目を向け、そこに宿る物語をそっと伝える存在です。
私たちの手から生まれる作品が、ほらどキウイの魅力をさらに多くの人に届ける一助となり、地域の振興と未来への継承に、ささやかでも確かな光を添えられたらと思います。
こびとの農園の作品は、オンラインショップ(BASE)・minne・Creemaで販売しておりますので、ぜひご覧ください。
※現在、関市のふるさと納税に申請中。
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