【ワークショップ実施報告】公益財団法人キユーピーみらいたまご財団助成事業プログラムA「食育活動助成」 循環型食育講座「つくって、たべて、また土へ。いのちのひみつを体験しよう」 A日程2026年4月29日・6月14日

2026年4月29日(水・祝)および6月14日(日)、岐阜県各務原市の「つむぎ野」にて、循環型食育講座「つくって、たべて、また土へ。いのちのひみつを体験しよう」A日程を開催しました。
本講座は、公益財団法人キユーピーみらいたまご財団 2026年度助成事業 プログラムA「食育活動助成」を受けて実施している取り組みです。主催は特定非営利活動法人つむぎの森。NPO法人リサイクルロンドぎふ、こびとの農園がそれぞれの専門性を活かしながら連携し、親子を対象に、食と環境、ものづくりを横断した体験型の学びを届けました。
本講座では、野菜を育て、収穫し、料理して食べるだけでなく、家庭から出る生ごみをコンポストによって土へ戻し、さらに学びをつまみ細工の作品として形に残すところまでを一体的に行います。
「つくって、たべて、また土へ。」という言葉の通り、食べものがどこから来て、どのように私たちの暮らしにつながり、そして再び土へと循環していくのかを、親子で体験しながら学ぶことを目的としています。
公益財団法人キユーピーみらいたまご財団 助成事業について

本講座は、公益財団法人キユーピーみらいたまご財団 2026年度助成事業 プログラムA「食育活動助成」を受けて実施しています。
公益財団法人キユーピーみらいたまご財団は、食を通じた子どもたちの健やかな成長や、地域における食の体験機会づくりを支援する公益財団法人です。同財団の助成事業では、子どもを対象に食育活動を行う団体や、食を通した居場所づくりに取り組む団体などを対象に、各活動の実施を支援しています。
2026年度助成事業では、以下のプログラムを設けられています。
- プログラムA「食育活動助成」
- プログラムB-1「食を通した居場所づくり助成」
- プログラムB-2「スタートアップ助成」
- プログラムB-3「冷凍冷蔵庫助成」
- プログラムB-4「食材費助成」
今回実施した循環型食育講座「つくって、たべて、また土へ。いのちのひみつを体験しよう」は、このうちプログラムA「食育活動助成」の採択を受けた取り組みです。助成プログラムA「食育活動助成」は、子どもを対象に食育活動をしている団体を対象とし、子どもの居場所での食育や、産前産後ケアのための食育を行う団体も対象に含まれるものとされています。
循環型食育講座「つくって、たべて、また土へ。いのちのひみつを体験しよう」について

近年、食べものがどのように育ち、どのように食卓へ届き、食べ終わった後にどこへ向かうのかを実感する機会は少なくなっています。また、家庭から出る食品ロスや生ごみの問題も、私たちの暮らしに身近な環境課題の一つです。
本講座では、親子を対象に、野菜の栽培・収穫、調理体験、ダンボールコンポスト、農作物の花をモチーフにしたつまみ細工制作を組み合わせ、食べものの循環を体験的に学ぶ機会を提供しています。単に料理をして食べるだけでなく、食材が育つ過程、地域の食文化、食べたあとの生ごみを土へ戻す仕組み、そして学びを手しごととして形に残す体験までを一体的に行う点に特徴があります。
本講座では、そうした課題を知識として学ぶだけでなく、実際に手を動かし、畑にふれ、料理をし、コンポストを育てることで、食と環境のつながりを体験として感じられる時間を目指しました。
また、本事業は体験活動に参加する機会が限られている子どもたちにも開かれたプログラムとして実施しています。自然や食、ものづくりにふれる機会を親子で共有することで、日々の暮らしの中にある「いのちの循環」への関心が広がることを願っています。
助成を受けた事業として、参加者にとって有意義な体験となることはもちろん、地域の中で食育、環境教育、居場所づくり、伝統的な手しごとを横断的につなぐ実践として、今後の継続的な展開にもつなげていきます。
- イベント名:循環型食育講座「つくって、たべて、また土へ。いのちのひみつを体験しよう」
- 実施日:A日程 2026年4月29日(水・祝)・6月14日(日)
- 会場:つむぎ野(岐阜県各務原市)
- 対象:小学生〜中学生の親子
- 主催:特定非営利活動法人つむぎの森
- 協力:NPO法人リサイクルロンドぎふ、こびとの農園
- 後援:各務原市
実施体制

本講座は、複数の団体が連携して実施しました。
NPO法人つむぎの森は、不登校やひきこもりなど、生きづらさを抱えた子どもや若者の支援、居場所づくりに取り組んできた団体です。本講座では、親子が安心して参加できる場づくりを担い、「生きごこちのいい暮らし」を体験として届ける役割を担いました。
NPO法人リサイクルロンドぎふは、ダンボールコンポスト講座を担当しました。家庭から出る生ごみを資源として捉え直し、土へ戻す仕組みについて、子どもたちにもわかりやすく伝えました。
こびとの農園は、食育講座およびつまみ細工体験を担当しました。農作物の花や地域の食文化に目を向けながら、食べものの背景にある植物の姿や、農と暮らしのつながりを伝えました。
A日程1日目:2026年4月29日(水・祝)

A日程の1日目となる4月29日は、食育講座、野菜の植え付け・収穫、料理教室、コンポスト講座を実施しました。この日は、CCNetからの取材カメラも入りました。
はじめに、こびとの農園による食育講座を行いました。講座では、当日収穫や調理で関わるイチゴについて学ぶとともに、各務原市の郷土料理である「金魚飯」について紹介しました。ささがきにした各務原にんじんの形が、炊き込みご飯の中で金魚のように見えることからその名がついたとされています。地域に伝わる食文化にふれることで、子どもたちにとって食べものが単なる食材ではなく、地域の暮らしや歴史ともつながっていることを感じるきっかけとなりました。

その後、畑では夏野菜の植え付け講座を行いました。
子どもたちは、トマトやナスなどの夏野菜の苗にふれながら、これから育っていく野菜の姿を想像し、土に植え付けていきます。自分で苗を選ぶということも1つの経験です。



続く収穫体験では、イチゴ、ニンジン、サツマイモ、ヨモギ、ニラ、サニーレタスなど、さまざまな野菜や植物を収穫しました。
実際に畑に入り、自分の手で収穫することで、食材が食卓に並ぶ前の姿を知る時間となりました。


料理教室では、収穫した野菜や植物を使いながら、金魚飯、白玉団子、天ぷら、ニラチヂミ、たまごスープなどを子どもたち自身が調理しました。
普段はできない料理することで、普段何気なく食べているご飯にどれほどの労力がかけられているのか体験することができます。


金魚飯は釜炊きにしたので、炊飯器を使わずに米が炊けることに興味津々でした。
特に印象的だったのは、金魚飯にちなんだたまごスープです。金魚の型で抜いたニンジンをスープに浮かべることで、お椀の中を金魚が泳いでいるような楽しい一品になりました。
郷土料理の名前や由来を、子どもたちの記憶に残る形で体験できる工夫となりました。



みんなで配膳し、みんなでご飯を食べるのも食育の一環です。
家族以外と屋外で食べる、ちょっと不思議な体験かもしれません。


1日目の最後には、NPO法人リサイクルロンドぎふによるダンボールコンポスト講座を実施しました。
講座では、家庭から出る生ごみをそのまま捨てるのではなく、微生物の力を借りて堆肥へと変え、再び野菜を育てる力にしていく仕組みを学びました。


また、子どもたちは自分たちのダンボールコンポストに名前をつけ、絵を描きました。
コンポストを単なる道具として扱うのではなく、これから一緒に育てていく存在として親しみを持つことで、家庭でも継続して関わりやすくなるよう工夫しました。
2026年6月14日(日)2日目の実施内容

A日程の2日目となる6月14日は、1日目の体験をふり返りながら、食育講座、畑での収穫・植え付け、料理教室、つまみ細工講座を実施しました。
約2か月経過した畑の様子など確認して、全く違う世界になってしまった畑に戸惑っていました。

はじめに、こびとの農園による食育講座を行いました。今回は、植物同士の関係性に着目し、「コンパニオンプランツ」について紹介しました。
コンパニオンプランツとは、一緒に植えることで互いの成長を助けたり、害虫を避けたりする効果が期待される植物の組み合わせのことです。畑には、さまざまな植物が関わり合いながら育っていることを知ることで、子どもたちは植物を単体ではなく、環境の中で生きる存在として捉えるきっかけとなりました。
また、この日に植え付けを行うサツマイモについて、クイズを交えながら楽しく学びました。



畑では、収穫体験をまず行いました。土の中からじゃがいもが出てくるたびに喜び、虫が出てくるたびに悲鳴があがる、驚きながらも収穫の楽しさを味わっていました。
また、前回自分たちで植えた野菜のうち、育って収穫できるものについても収穫を行い、1日目の体験が次の学びにつながっていることを実感しました。


続いて、サツマイモとモロヘイヤの植え付けを行いました。収穫するだけでなく、次の季節に向けて新たに植えることで、畑の営みが一度で終わるものではなく、継続してめぐっていくものであることを体験しました。
コンポスト堆肥を肥料に入れ、1回目で学んだことが再度体験となることで、学習が身につきます。



料理教室では、トマトパスタとポテトサラダを作りました。
前回と違い今回は班に分かれて、各班の方針によって味・盛り付けなどがどのように変わっていくのかを体験してもらいました。

ポテトサラダでは、マヨネーズづくりにも挑戦しました。
同じ材料を使っても、混ぜ方や味つけによって班ごとに味が異なります。


できあがったポテトサラダを食べ比べることで、料理は決まった正解を再現するだけでなく、自分たちで考え、工夫し、違いを楽しむものでもあることを感じる機会となりました。

2日目の最後には、こびとの農園によるつまみ細工講座を行いました。
今回制作したのは、イチゴの花をモチーフにしたピンバッジ・ブローチです。


1日目に収穫したイチゴについてふり返りながら、食べる実だけでなく、その前に咲く花の姿にも目を向けました。イチゴは、子どもたちにとって身近で親しみのある果物ですが、白い花が咲き、受粉を経て実になるという過程を意識する機会は多くありません。
つまみ細工では、小さな布を折り、花びらの形を整えながら、一つの花を作り上げていきます。農作物の花を手しごとで表現することで、畑で見たこと、収穫したこと、食べたことが、作品として手元に残ります。
本講座におけるつまみ細工は、単なる工作体験ではなく、学びを形に残すための時間です。食べものとしての農作物だけでなく、花が咲き、実がなり、いのちがつながっていく過程を、子どもたちが自分の手で表現する機会となりました。
今後について
循環型食育講座「つくって、たべて、また土へ。いのちのひみつを体験しよう」は、A日程に続き、B日程でも実施を予定しています。
今後も、NPO法人つむぎの森、NPO法人リサイクルロンドぎふ、こびとの農園が連携しながら、子どもたちが自然や食、環境、ものづくりにふれる機会を大切に育てていきます。
食育というと、食材や栄養について学ぶこと、料理をして食べることが中心に捉えられがちです。しかし本講座では、食べる前の「育つ時間」と、食べた後の「土へ戻る時間」にも目を向けました。
- 畑で土にふれること。
- 収穫した野菜を料理すること。
- 郷土料理を知ること。
- 生ごみをコンポストで堆肥に変えること。
- 農作物の花をものづくりで表現すること。
それぞれの体験をつなげることで、子どもたちが食べものをより立体的に捉え、暮らしの中にある循環を身近に感じることを目指しました。また、親子で一緒に体験することで、講座の学びが家庭での会話や日々の暮らしにもつながっていくことが期待されます。
本講座を通じて、「食べる」ことを入口に、土、植物、料理、地域の食文化、そして暮らしの中の循環へと関心が広がっていくことを願っています。
ご参加いただいた皆さま、開催にあたりご協力いただいた関係者の皆さま、誠にありがとうございました。
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